講座内容
〜鴨川地球生活楽校で、一年を通して学ぶこと〜
5月
里山が新緑に芽吹く5月、日本でも珍しい雨水だけで耕作する天水棚田での田植えから、始まります。
この地域に稲作が伝わったのは、1300年前のことだと言われています。
それから、長い年月をかけて人は森を拓き、棚田をつくり、命をつないできました。里山の地形にそって段々上に曲線を描く棚田の美しさは、まるで人と自然が織りなす命の彫刻です。
また、一千年かけて育まれてきた伝統的な里山文化を村の長老たちから学びます。
6月
糸を紡ぐ文化は日本では、ほとんど絶えてしまいました。
しかし、人の暮らしの中で衣はとても重要な位置を占めています。かつて、衣の自給こそが自立への道として、マハトマ・ガンジーは糸紡ぎをイギリスからの独立運動のシンボルとしました。
今回は、里山で丁寧な暮らしをつむぐ桑原麻衣子さんに綿の糸紡ぎを、草の作家である矢谷左知子さんに里山に自生している雑草からの糸紡ぎを学びます。
私たちが糸紡ぎという手仕事を体験することは、現代文明の意味をもう一度考え直す、きっかけとなるでしょう。
7月
自然農とは、「耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵としない」自然の理に添った農のあり方です。
農業といえども、環境にさまざまな問題を引き起こす原因となっている昨今、自然農はそれらを解決するひとつの方法を示してくれると思います。
さらに、単なる農法に留まらず、生き方、暮らし方のひとつの指針となるべき人生哲学でもあります。
講師の米山美穂さんは、自然農を柱とした農的暮らしを安房の里山で営んでいるマクロビオティックの料理家です。自然農の考え方と実際の農作業、さらに太陽や月の暦をベースにした自然に添った暮らし方や、自然の恵みを活かし、いのちをいただく雑穀とやさいの料理法も一緒に学びます。
9月
味噌、醤油、酒、納豆、みりん、甘酒、漬物など日本の発酵食は、日本人の食生活にとって欠かせないものです。この発酵食は、長い時間をかけて日本の風土、気候、文化よって育まれ、暮らしの知恵が凝縮されています。
講師に発酵料理家のなかじを迎え、一緒に棚田での稲刈りや伝統的な稲架掛け(天日干し)から、3日間かけての麹づくり、そして驚くほどおいしい甘酒や発酵料理をつくります。
発酵とは「生き方」であり「道」なのだと伝えてくれるなかじのメッセージから、人生を楽しく発酵させるヒントが得られるでしょう。
10月
荒れた里山や耕作放棄地にはびこる竹は今、農村の困りモノです。
しかし、無地蔵に自生している竹はある意味、ものすごい可能性のあるバイオマス資源でもあるのです。
以前から、竹の様々な可能性を追求してきたNPOトージバの神澤則生さんを講師に迎え、竹林の管理の仕方、伐採、油抜き、そして実際に竹を使ってバンブーテラスづくりを行います。
竹の利用方法を学び、里山の資源を最大限に活かす知恵を学びましょう。
11月
現代文明が大きく変化する時代において、私たちはこれからどんな生き方をしたら良いでしょうか。
最後の鴨川地球生活楽校では、鴨川の里山に移住している多くの半農半Xたちの暮らしぶりを訪ね、その多様なライフスタイルからヒントを得て、「今ここ」にフォーカスし、自分らしく生きる未来ビジョンを描くワークショップを行います。
※各回、鍼灸マッサージ師でありシバナンダヨガインストラクターである山崎雄平さんに「身の回りのものを活かして、自然治癒力を高める暮らし方」を学びます。
月日 | プログラム内容 |
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2014年 | |
5/10-11 | 【田んぼからすべてが生まれる】 講師:林良樹・栢尾 勉 |
里山の暮らしの知恵を学ぶ | |
天水棚田の田植え | |
長老に学ぶ里山の手仕事〜わらで縄をなう | |
6/7-8 | 【糸をつむぐ、暮らしをつむぐ】 講師:桑原 麻衣子・矢谷 左知子 |
綿の自給と手仕事 | |
草から糸をつくる | |
7/12-13 | 【自然農という暮らし方】 講師:米山 美穂 |
自然農の畑作り(大豆の種おろし)・自然農の田仕事 | |
太陽と月のリズムで暮らす〜暦の話 | |
穀物のエネルギーをいただくごはん〜雑穀と野菜の料理 | |
9/13-14-15 | 【発酵に学ぶ自由な生き方】 講師:なかじ |
日本の食文化を支える発酵食について学ぶ | |
米麹づくり、甘酒づくり、発酵料理 | |
稲を刈り、はざかけ(天日干し)をする | |
10/25-26 | 【里山の資源、竹の新しい可能性を拓く】 講師:神澤 則生 |
竹林の管理の仕方・竹の伐り出し・油抜き | |
バンブーテラスづくり | |
11/15-16 | 【自分らしく生きるには〜未来ビジョンを描く】 講師:林 良樹・林 菜穂子 |
今ここから始まる未来ワークショップ | |
里山に暮している半農半xたちを訪ねる |
*プログラム内容は、都合により変更することがございます。ご了承ください。
各回とも、一日目10:30集合〜最終目15:30解散を予定しています。